2019年02月04日
廃棄物ひとくちコラム
第34回 <産業廃棄物処理業許可業者数について>
2017年4月号に産業廃棄物処理業許可制度の変遷について書きましたが、今回は現時点において静岡県内にはどれくらいの許可業者が存在するかについて情報提供させていただきます。
静岡県内には、静岡県、静岡市、浜松市と3つの廃棄物処理法上の許可権限を有する自治体があること、産業廃棄物処理業は大きく収集運搬業と処分業に区分されることは、読者の皆さんも基礎的な知識としてお持ちいただいているものと思います。そのことを念頭に置いて次表をご覧ください。
平成23年4月の法改正で収集運搬業については、県知事から許可を得れば当該県内では全ての場所で積み降ろし業務を行えるようになった(許可合理化と呼ばれる。)ことから、普通物、特管物ともに県の許可業者数が圧倒的多数となっています。逆に、政令市で収集運搬業許可を持っているのはどういう理由かとお尋ねをいただきますが、1つは、積替え保管の許可を有している業者です。2つ目は、当該政令市内での業務の可能性しかない者が許可申請の受付窓口への交通の便を考慮した結果ではないかと推測します。例えば、静岡市内での積み降ろし業務しか行わない業者が、静岡県の収集運搬業許可を取得しようとすれば、受付窓口は藤枝市内にある中部健康福祉センターということになりますので、その労力との比較で、このような選択をした結果だろうと考えます。
また、特筆されるのは政令市特に静岡市における積替え保管を含む業者数の多さです。私も現役の時に、積替え保管を認めることによる「排出事業者責任の希薄化」と、時代の要請である「リサイクル率やリサイクル品質の向上」を天秤に掛けたとき、原則積替え保管を認めないとする従来の運用は改善すべきと考え、制度改正を行った経緯があります。このような観点で、今後の行政の取組を見ていきたいと思いますし、私も所属する静岡県行政書士会を通じて行政への働きかけをしていきたいと考えています。 許可業者数を集計したついでに、県知事許可を有する(普通物)収集運搬業者の内訳を調べてみました。
この表から分かることは、県内に本拠を置く許可業者が70%を占めることと、業者は東中西部地区にほぼ均等に分布していることです。参考に、県外では隣接県である愛知(516)、神奈川(342)が多いのは当然というべきでしょう。さらに、県内に本拠を置く4,005業者が有する許可品目の内訳では、木くず・廃プラ・がれき等の建設系7品目を含む許可を有する業者数は次表のとおりで、予想した以上にこのパターンでの許可取得業者が多いことが分かりました。
また、最初の表に戻れば、収集運搬業者数に比べて処分業者数は、6%程度と極めて少ないこと、最終処分(埋立)業者数は、県内合計しても30程度であることが分かります。収集運搬業と異なり処分施設を設ける手続きの困難度の高さを表していると言えるでしょう。