第4回  「旅先でのあいさつ」


サイフの中味と相談しながらの貧乏旅を続けている私共夫婦ですが、実は山形県の米沢を旅したときのことです。この米沢は山形県南部の町で上杉鷹山でも知られ、情緒もありとてもいい町です。朝、ホテルを出て公園を歩いていた時でした。自転車に乗った制服を着た男子高校生が私たちとすれ違いざまに「おはようございます」とあいさつをしていったのです。誰か知り合いでもいたのかと思い周りを見回したのですが、歩いている人は私たちしかいませんでした。高校生があいさつした先は見ず知らずの私たちだったのです。

あたりを見回した分、タイミングがずれましたがその高校生にはちゃんとあいさつは返しました。続いて通りかかったのもやはり自転車の高校生、今度は女子高生でした。その女子高生もすれ違いざまに私たちに元気よく「おはようございます」のあいさつでした。それにしても見ず知らずの私たち旅人へのあいさつにはびっくりさせられたのと同時に、そのあいさつは気持ち良く、とても得した良い旅だったなあと今でもそう思っております。

いろいろなアンケートを紹介したテレビ番組を見たことがありますが、その番組で「山形県民は人のよさ全国ナンバーワン」と紹介されていましたが、「米沢であいさつ」を受けた経験者として、その結果は十分頷けるものであります。 その後、会議で出会った山形県の方にその話をしましたところ、とても喜んでくれ、その後の会話も大変はずみました。その方の話しによると「米沢の土地は鷹山侯の思想を受け継ぎ、道徳教育もしっかりとしている。子供のころから目上の人に対する礼儀はしつけられている」とのことで、なるほどと納得した次第です。

前置きが大変長くなりましたが、登山、ハイキング、散歩の際などでは行きあう際、お互いあいさつを交わすことはごく普通のことです。見ず知らずの人に自分からあいさつすることはなかなか勇気のいることですが、しかし、あいさつをされて気分を害する人はいません、お互いに交わすあいさつはとても気持ちのいいものです。是非勇気を出して、自分からあいさつを仕掛けてみたら如何でしょうか。