<空走距離と制動距離>


 交通事故で一番多い事故形態は追突事故で、交通事故全体の約4割を占めています。
 追突事故の原因は、脇見運転や車間距離の不保持などが大部分を占め、急ブレーキをかけても間に合わずオカマを掘ってしまったという方もいるかと思います。
 そこで走行車両が停止するまでの距離、つまり「空走距離」と「制動距離」について考えてみたいと思います。
 「空走距離」とは・・危険を感じブレーキを踏み、ブレーキが利き始めるまでの距離
 「制動距離」とは・・ブレーキが利き始めて車が停止するまでの距離
を言います。
 空走距離では、運動神経のよい人、鈍い人ではその差が出るのは当然のことですが、因みにその反応時間については
 運動神経の
  ・よい人 0.5 秒  ・平均的な人 0.7 秒  ・鈍い人 1 秒
という実験結果がでているようです。
 従って時速60km走行での空走距離は
  運動神経のよい人でも 8 m  運動神経が鈍い人にいたっては16 m
にもなってしまいます。
 制動距離は普通乗用車で時速60km走行していた場合が20mでありますから、運動神経のよい人でも危険を感じて車両停止まで28 mを要し、一方、運動神経が鈍い人は36mも要してしまいます。
 この事実をわきまえ、自分は「運動神経が鈍っているなあ」と感じている方は勿論のこと、運転に自信のあるドライバーも自分の運転技術を過信せず、スピードは控えめに車間距離を十分保持し、安全運転に心掛けて下さい。