第8回  「車こすり始めたら要注意」


数年前の午後9時ころ、某市で発生した交通死亡事故ですが、その日は雨の降っている夜でした。住宅街のS字カーブになったコンクリート壁に車が激突し、高齢の男性が内臓破裂で死亡した交通事故です。その方は体に疾患があり医者から禁煙を勧められていた方ですが、当人は禁煙できずにこっそりとタバコを吸っていたようです。

その夜、タバコが切れたため雨の中、自家用車でタバコを買いに出かけ、その途中不幸にもこの事故を起こして、還らぬ人となってしまったのです。喫煙者にとってはその行動はよく理解できるのですが。しかし、タバコさえやめていればこんな事故に遭わず、命を落とすこともなかった訳で、別の意味ではありますが「タバコで命を落とした」ということになります。

実は、この方の車を見るとあちこちに傷があり、本件事故を起こす前にあちこちで接触していることが窺えたのです。このような接触痕のある傷だらけの車を見かけることがありますが、そんな車を見れば運転が上手でないだろうと思うことは誰もが思うことであり、何と言っても車の傷がそれを証明しています。

このような車の運転手は、いずれは大事故を起こすのではと心配になりますが、傷だらけの車が自分の近くで走っていたなら、その車には近づけません。要注意車両であることは間違いありません。逆に自身が車をこすり始めるようになったなら、これが危険信号であることをしっかりと受け止めなくてはなりません。より慎重な運転に心掛けましょう。