おしえてマロンさん


大寒も過ぎ暦の中の季節は春に向かっているのに、日本列島はまだ底冷えする寒さです。この寒さ、60歳を前にしている私の身体にとってはとても堪えています。若き頃に患ったヘルニアが再発したかのように日々の仕事に影響を与えています。サクラの咲く季節が来ることをひたすら願う毎日です。

さて、今回はダイコー(株)による廃棄食品不正転売事件を別の視点で考えてみたいと思います。日本人の「もったいない」の心、何時の頃から続いているのか、江戸時代に花咲いたリサイクルの循環社会、親から子そして孫と脈々と続いてきたこの心、東京オリピック開催を前に再び見直されているこの言葉「もったいない」。この「もったいない」から考えるに、廃棄する食品残渣を減らせばいいのではないかと思います。この点はきっと誰もが思っている事ではないでしょうか。産廃の専門誌に掲載されていましたが、2013年度で食べられるのに捨てられている食品が年間約632万tもあるそうで、この食品ロスは世界全体の食料援助量の約2倍もあるそうです。

食品産業から出る食品廃棄物はさらに多く、2013年度のデータで1927万tあるとのこと。そのうち8割が食品製造業から出る廃棄物で1594万tにも上るようです。どのような食材が廃棄されているのか、食品の売れ残りや食べ残し、製造・加工・調理の過程に応じて生じた「くず」などが食品廃棄物として捨てられています。大量生産、大量消費、大量廃棄、飽食の時代、皆の生活は日々豊かになってきています。食の安全を考えると一定の規制は必要であると思いますが、行き過ぎた規制はやはり食品ロスと廃棄を生むのではないでしょうか。

食品リサイクル法は平成12年に食品廃棄物等の排出の抑制と資源としての有効利用を推進するために制定されました。食品の製造、流通、消費、廃棄等の各段階で食品廃棄物等に係わるものが一体となって、まず食品廃棄物等の発生抑制に優先的に取り組み、次いで食品循環資源の再生利用及び熱回収、ならびに食品廃棄物等の減量に取り組むことを基本理念としています。しかし、この理念は食品を製造している製造業者だけに当てはまるものではなく、産業廃棄物処理を仕事としている弊社にもあてはまる事であると思います、今期の廃棄物のリサイクル率の目標は85%です、お客様から預かった廃棄物をいかにしてリサイクルし単純埋立て処分を減らしていくか、これも、「もったいない」の気持ちがあれば叶えられることだと思います。

不正処理したダイコー(株)のような処理業者に弁解の余地はありませんが、これから先は消費者、排出事業者、運搬業者、処理業者全ての関連する人達が考えなくてはいけない問題であると思いますが、皆さんはどのように思われますか。