皆さま、こんにちは!唐突ですけど、私、プロレスが好きです。いや〜、久々にグッときましたね〜。何がって?タイガーマスクWに決まってるじゃないですか!!10月からテレビ朝日系列で放送が始まったアニメ「タイガーマスクW」と連携し、現実世界でも10月10日の新日本プロレス両国国技館大会でタイガーマスクWが衝撃デビュー。あの均整のとれた美しい肉体と驚異的な身体能力を活かしたムーブからするとその正体は既に公然の秘密。ですが、「あの人」ならばタイガーマスクWの今後の活躍に期待が否応無く高まります。初代タイガーマスクの大ブーム直撃を受けた小学生はもうすぐ五十代の中年オヤジ。しかし、いまだタイガーマスクにはトキメキっぱなし。と、トシ甲斐も無く興奮しているTUBOJUNです!
さてさて11月となりまして、そろそろ1年間を振り返るような時期となりました。今年特に印象に残った出来事といえば、私的プロレス的にはムハマド・アリ氏の死去でしょうか。説明するまでもなくボクシング元世界ヘビー級王者ですが、日本国内においては何といってもアントニオ猪木氏との異種格闘技戦でしょう。プロレスとボクシングのトップスター同士の対戦は以後のプロレスや総合格闘技に多大なる影響を与え、しかも想像力を掻き立てるミステリアスな一戦でした。アントニオ猪木とムハマド・アリによる「格闘技世界一決定戦」が行われたのは1976年の6月26日。それから40年の節目となる今年、日本記念日協会(というのがあるんです!)が6月26日を「世界格闘技の日」に制定した矢先の出来事でした。
ムハマド・アリといえば自ら紡ぎ出した「蝶のように舞い、蜂のように刺す」の名文句が有名。アリ氏の死去を伝える新聞記事にはお決まりのようにこの名文句が並んでいました。しかし、アリが残した様々な言葉は英語の原文で味わう方がカッコいいのです。
Float like a butterfly,
Sting like a bee.
Your hands can’t hit.
What your eyes can’t see.
蝶のように舞い、
蜂のように刺す。
オマエのパンチはかすりもしない。
目にも止まらないからさ。
これはまさしくポエム。アリは単なる傲岸不遜なビッグマウスではないのです。アントニオ猪木との異種格闘技戦の前年(1975年)に「ゴリラ」とニックネームされていた宿敵ジョー・フレイジャーとフィリピンの首都マニラで対戦する直前にはこう言っている。
It’ll be a Killer,
And a Chiller,
And a Thriller,
When I get the Gorilla,
In Manila.
キラー、チラー、スリラー、ゴリラ、マニラとキレイに踏んでいる韻。まさしくライム。アリは有名になってからエンターテイメントを意識して言っていたのではありません。12歳のアリ少年が初めてボクシングの対戦に臨むにあたって残した言葉。
This guy is done,
I’ll stop him in one.
ヤツはもう負け。
1ラウンドで倒す。
この時既にdoneとoneで韻を踏んだ「アリ・ラップ」になっている!ランDMCより遥か前からアリはラッパーだった。アリこそがラップの元祖であり天性の詩人であったのです。
話は戻ってタイガーマスク。タイガーマスクWは恐らくビッグマッチ限定のスポット参戦になるのでしょうが、微妙になるのは同じ新日本プロレス所属で現役の四代目タイガーマスクの存在。歴代タイガーマスクの中で最も長い活動期間ながら偉大なる先代達に比べ人気や話題性に欠け陰の薄い存在。それなら、空気を読めない「塩」っぽさと無意味なシュートっぽさを逆に生かして、アニメ「タイガーマスクW」に登場するタイガー・ザ・ダークに転じて欲しい。四代目が図らずも持っている天然のヒール性からすると十分ありでしょう。マスクマンの命である黄金の仮面を奪われた四代目は漆黒の仮面を被りニューヒーローへの復讐を決意するという因縁のアングル。かつてのブラック・タイガーのようにタイガーマスクWの好敵手としてもう一花咲かせて欲しいものです。
余白の無いリアルよりファンタジー。それがプロレスの魅力。
「プロレスラーは本当は強いんです!」
かつてUFC−JAPANヘビー級トーナメントを制した桜庭和志がリング上で叫んで万雷の拍手を浴びた言葉。単なるファンタジー一辺倒ではなくリアルを超越したファンタジーなのです。
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