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2020年03月02日

廃棄物ひとくちコラム

第47回  <産業廃棄物の発生及び処理の状況について>

先日、環境省から国内における産業廃棄物の発生及び処理の状況(平成29年度)について集計結果の公表がありましたので、今回はこれについて書いてみたいと思います。

読者の皆様は、全国で1年間にどれくらいの産業廃棄物が発生しているか想像ができますか?その量は、3億8354万トンにも及びます。発生量の4億トン弱という値は、ここ何年間かはあまり変動がありませんし、もっと長い目でみれば平成初期のバブル崩壊以後30年間このレベルで推移しています。本来であればGDPの伸びとともに、発生量は増加していくと考えられますが、排出者の減量意識の高まりで、発生自体が抑制されている結果と評価します。

次に、種類別発生量について見てみます。
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種類別第1位は、「汚泥」、第2位は「動物のふん尿」、第3位「がれき類」となっていて、読者の皆様には意外だと思われる方も多いと思います。実は、これにはからくりがあって、汚泥の場合は、発生した時点=つまりスラリー状の高含水率の状態で数量集計しますのでこんなに大きな値となっています。一例として、含水率98%のスラリー1トンを含水率70%まで脱水すれば10分の1以下の僅か67キロの脱水ケーキとなります。私たちの感覚としては、汚泥排出の実態は、脱水ケーキであることが多く、全発生量の40%以上を占めることが実感できない大きな理由です。また、廃プラスチック類は、見た目の量としてはもっと多いと感じられますが、比重が小さいことから重量換算して集計した結果は、第9位の発生量となっています。

最後に、発生した3億8千万トン余の産業廃棄物が、どのように処理されているかを見てみます。

      全国産業廃棄物の処理フロー(平成29年度)
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ここで、「減量化量」という聞きなれない言葉が出てきますが、主なものは①汚泥の脱水・乾燥による水分の分離②廃棄物の焼却によるガス化が該当します。例えば、先ほどの汚泥の含水率計算事例では1トンのスラリーから67キロのケーキに変化していますので、この時の減量化量は933キロとなります。

この処理フローで注目すべき点は、排出量の半分以上に当たる2億トン強が何らかの形で再生利用されていることです。一方、最終処分量は、前年度に続いて1千万トンを下回り970万トン(3%)となっています。最終処分は例外なく埋立処分のことですので、全国的な最終処分場不足の中で、再生利用を目的とした中間処分の重要性が大きくなっている状況が読み取れます。

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