2017年04月05日
警察OBコラム一寸先は闇
第14回 「報告三原則」
「報連相」の原則は皆さんご承知のことと思いますが、ここで触れます報告三原則も「報連相」と同様、組織の危機管理上の報告要領です。「とりあえず一報」 「悪いことほど早く」「迷ったら積極的に」は何処の組織でも通用するものであり参考として下さい。
○「とりあえず一報」
できるだけキチンと物事を把握して詳しく報告したいのが報告する側の気持ちです。しかし、詳しく、正確な報告をしようとするとどんどん報告の機会が遅くなります。第一報は「重大な○○問題が発生」と現状で把握している内容だけで十分です。トップもその報告だけで素早く臨戦態勢に入ることができるのです。上下とも「第一報はそれでいいのだ」ということを理解しておくことが肝心です。受けた側の上司が「それだけしか分からんのか」と叱るのは論外であります。
○「悪いことほど早く」
失敗や不祥事案を報告するのは、誰でもいやなものです。だからといって各レベルで報告を躊躇していればトップに報告がたどりつかないのです。早く報告があがれば組織として迅速に対応ができ、結果としてダメージが少なく済むのです。報告遅延は組織にダメージを与えるということを認識すべきです。悪い報告を受けると怒ったり、機嫌を悪くしたりする上司にはますます報告があがってきません。
○「迷ったら積極的に」
報告を迷うような案件が浮上した場合、「もう少しはっきりしてから」とか或いは「黙っていればごまかせるかも」などと報告をしなくていいという理由をこじつけ、自分に都合のいいように考えたくなるものです。迷って報告を先延ばししているとますます報告しづらくなり、その結果、対応も遅れ問題が悪化することにもなりかねません。「報告しようか、どうしようか」と迷ったときには「それは報告すべき」と銘記していただきたい。