2018年01月09日
社員心得帖
経営企画室長竹本による「社員心得帖」 第7回
前回の終わりに次回は「WIN・WINについて考える」をテーマにお話しすると書きましたが、今回はその前にお伝えしたい事があります。第1章「主体的である」第2章「終わりを思い描く事から始める」第3章「最優先事項を優先する」は共に私的成功を論じています。第4章からは「公的成功」の分野に入ります(相互依存)。
私的成功とは文字通り自分自身の事です。公的成功とは相手が絡みます。ここで大事な事は、私的成功無くして公的成功はあり得ない!と言う事です。私的成功が公的成功に先立つ。近年、個性主義のテクニックやスキルだけで人間関係を円滑に、スムーズに進めようとする風潮がある。しかしながら、その過程において、本来テクニックに命を吹き込んでくれる筈の人格という土台を、根こそぎにしてしまう事が少なくない。根がなければ実は採れない。これは「順序」と「プロセス」の原則である。私的成功が必ず公的成功に先立つ。自制と自己のコントロールこそ、他人との充実した関係の土台になる。
他人の事を好きになるには、まず自分自身の事が好きでなければならないと、よく言われる。これは的を射た発想だと思う。事実、自分の事を知らなければ、そして自分の事をコントロール、あるいは自制できなければ、自分の事を好きになるのは極めて難しい。もし、好きになれたとしても、それは上辺だけの短期的な思い込みにすぎない。真の自尊心は、自らを支配する力、真の自立からくるものである。それは第一、第二、第三の習慣の目的である。自立とは努力して達成するもの。
相互依存の関係は、自立した人にしか出来ない選択である。真の自立を達成する意志の強さがなければ、人間関係のスキルをいくら磨いても、それは無意味で愚かな事。環境や条件が良ければ、ある程度の人間関係はつくれるかも知れない。しかし、困難が訪れたとき・・・そうした時期は必ずくる・・・その関係を保つ土台がなければ、人間関係は崩れる。
人間関係づくりに最も大切な要素は、私たちが何を言うか、何をするかという事ではなく、私たちはどういう人間であるかという事である。そして、私たちの言葉や行動が自らの中心(人格主義)からではなく、上辺だけのテクニック(個性主義)に起因するものであれば、人は私たちの二面性を感じ取るだろう。そういうやり方では、効果的な相互依存関係を作り上げ、維持するための土台は絶対に出来ない。
人間関係に大きな力を発揮するテクニックが本当にあるとすれば、それは真に自立した人格から自然にあふれ出るものでなければならない。だから、関係を築き始めるべきところは、まず自分の内面であり、自分の影響の輪の中心であり、自分の人格を育てる事である。自立するにつれて・・・土台になり、正しい原則を生活の中心におき、価値観に基づいて誠実に優先課題を計画し、それを実行する力を育成するにつれて・・・相互依存を選び、充実した、継続的で生産的な人間関係を築くことが出来るようになる。これから入ろうとしている相互依存の領域は、全く新しい次元である。相互依存の教えは、非常に深く充実した有意義な関係の、全く新しい世界を開いてくれるものだ。それは私たちの生産性を飛躍的に向上させる。奉仕をし、貢献し、学び成長するための、全く新しい機会を与えてくれる。他者との良い関係を築くために絶対に必要なものは?
信頼残高という名の財産が必要!!
銀行口座がどういうものであるかは、誰でも知っているだろう。口座にお金を預け入れることで貯えができ、必要に応じてそこから引き出すことが出来る。それと同じように、信頼口座つまり信頼残高とは、ある関係において築かれた信頼のレベルを表す比喩表現であり、言い換えれば、その人に接する安心感ともいえるだろう。礼儀正しい行動、親切、正直、約束を守るなどの行動を通して信頼残高を作っていけば、そこに貯えができる。些細な間違いを犯しても、信頼のレベルや精神的な貯えがそれを補ってくれる。こちらのコミュニケーションが多少不明瞭でも、こちらの言いたい事を汲み取ってくれるだろうし、言葉ひとつで気を悪くするような事もないだろう。信頼残高が高ければ、コミュニケーションは簡単で、効果的で、即時に出来るものである。
しかし、無礼な態度を示したり、相手の話に途中で口を挟んだり、あるいは過剰反応をし、相手を無視し、自分勝手に振る舞い、相手を脅かし、相手の生活をこちらに意のままにしようとするような行動が日頃から見られれば、ゆくゆくは信頼の残高不足えお起こし、硬直的なコミュニケーションしかできなくなってしまう。それはまるで地雷の上を歩くようなものだ。言葉ひとつひとつに気を遣い、相手の顔色をうかがいながら、一語一句言葉を選んで話をしなければならない。その為に緊張が高まり、そして、陰口がはびこるようになる。やがて、ご機嫌取りをしたり、政治工作に走ったり、自分の立場を守ることだけに集中したり、といったことが蔓延する。多くの組織にはこの現象が充満している。そして、多くの家族や夫婦も同じような問題を抱えている。それではどうすれば?・・・信頼残高を作る事!!
信頼残高をつくる六つの大切な預け入れ
1、相手を理解する
本当に人を理解しようとすることは、最も重要な預け入れのひとつであり、全ての預け入れの鍵である。まず相手を理解してからでなければ、その人にとって何が預け入れになるかを知ることはできない。あなたにとっては預け入れになる様な事・・・一緒に散歩する、食事に出かける、プロジェクトに参加するように誘うなど・・・でも、相手にとっては全く預け入れにならない場合がある。相手の関心事やニーズに合っていなければ、預け入れのつもりでも引き出しになることさえある。ある人にとっては一大事でも、他人によっては些細なこともある。預け入れをするためには、相手の事を大切に思うのであれば、相手にとって大切なことをあなたも大切に思う必要があるのだ。そして、それが大切な人であればあるほどそうだ。
2、小さな事を大切にする
小さな心遣いと礼儀は、とても大切である。小さな無礼や不親切、無神経は大きな引き出しになる。人間関係において、小さなことは大きなことである。
3、約束を守る
約束を守ることは大きな預け入れであり、破ることは大きな引き出しである。相手にとって大切なことを約束しておきながら、それを守らないことほど大きな引き出しはないだろう。次に約束をしても、とても信じてもらえない。人は約束に基づいて、期待を抱く様になる。特に自分の生活と深く関わっている問題については、そうである。
4、期待を明確にする
人間関係におけるほとんどの問題は、役割と目標を取り巻くあいまいな期待、あるいはお互いの期待像の相違に端を発している。仕事で誰が何をするかという問題にせよ、部屋の掃除や、誰が魚に餌を与え、誰がゴミを出すかという問題にせよ、不明瞭な期待像が、誤解、失望、信頼の引き出しに結びついていることは間違いない。ところが、日常私たちの期待は、ほとんど言わず語らずで暗黙のうちに存在している。それは明確に述べられることはないし、説明されることもない。にもかかわらず、私たちはそういう期待を持って、その状況や相手の行動を評価する。例えば、夫婦間において、男性と女性はそれぞれ、夫と妻の役割に対する暗黙の期待を持っている。この期待についてお互いに話あったこともなく、また意識したことがなくても、その期待に応えることは大きな預け入れとなり、それを裏切ることは大きな引き出しになる。だからこそ新しい状況に直面したとき最初から当事者全員の期待を机上に載せることがとても大切なのだ。人々は自分の持っている期待に照らして、相手を裁く。そして、自分の持っている基礎的な期待が裏切られたと感じれば、信頼の貯えが減少することになる。自分の期待は相手にも理解され、受け入れられていると思い込むことで、多くの大変な問題をつくり出しているのである。だからこそ、最初から期待像を明確にすることは預け入れになる。そうするには、最初は大きな時間と労力の投資が必要になるが、長期的な観点から見ると大きな時間と労力の節約になる。
5、誠実さを示す
個人的な誠実さが信頼を築き、様々な預け入れの基礎になる。誠実さの欠如は、信頼残高を増やすための努力を全て台無しにしてしまう。人を理解しようとし、小さな親切を繰り返し、約束を守り、期待を明確にし、それに応えようとしても。心に二面性を秘めていれば信頼残高を築くことはできない。誠実さは正直という概念を含んでいるが、それを超えるものである。「正直」とは真実を語ることである。つまり、言葉を現実に合わせることである。それに対して「誠実さ」とは、現実を言葉に合わせることである。つまり、約束を守り、期待に応えることなのだ。そして、誠実さを持つには統一された人格が必要なのである。誠実さを示す重要な方法のひとつは、その場にいない人に対して忠実になることである。そうすることで、その場にいる人々との間に信頼が育成される。その場にいない人を弁護することは、その場にいる人との信頼を保つことになる。
6、引き出しをしてしまったときは、誠意を持って謝る
素早く心から謝ることは、高潔な人格をとても必要とする行為である。基礎的な原則や自分の価値観からくる深い内的な安定性がなければ、誠心誠意をもって謝ることはできない。以上がこれからの課題となる相互依存に入る前に必要な基礎知識です。
リサイクルクリーンは多くのお客様との関りで業を行っています。全社員がお客様にご理解頂いて、必要とされる様に努力しています。次回はいよいよ「WIN・WINについて考える」のお話に入ります。