2018年11月05日
おしえてクリンちゃん
クリンちゃんの廃掃法豆知識
10月も終わりに近づいた頃から朝夕の冷え込みが一段と増してきました。先日朝起きてやけに肌寒さを感じて温度計を見みると何と6度、ついに10度を割る季節がやってきました。若い頃は夏が好きで冬はどちらかと言えば嫌いな季節でしたが、還暦を過ぎた今は夏よりも冬の季節の方が身体的には楽な季節となりました。
ちょっと冷え込むこの季節は1年で一番楽しみな稲の刈り取りの時期でもあります。今年の作柄は思ったよりも悪く残念な結果でしたが、山里で日照時間も短く冷たい山水を引き込み、化学肥料を使わずに耕作している私の水田では充分の収穫です。今年のうちにまた堆肥と鶏糞を撒いて耕し、冬の間少し休んでもらい来年に備えます。僅か一反にも満たない狭い水田ですが、先祖から受け継いだ貴重な耕作地ですので、作付けできるまでは頑張って行こうと思っています。
さて私が幼かった頃そう半世紀前の廃棄物処理を振り返ってみると、農家では不要になった籾殻や藁、小豆、大豆や蕎麦の収穫後の枯れ木等色々な不用品を燃やし、灰を土壌改良の手段として有効に活用していました。通っていた小中学校でも必ずレンガ造りの焼却炉があり、先生方が不用になった書類や食品の包装用紙その他雑多なものを焼却していました。燃えて残った灰は焼却炉の横に積んであったように記憶していますが、最終的にどのように処理していたのかは分かりません。
また、一般家庭でのゴミ処理を振り返ってみれば、生ゴミは畑に肥料として廃棄し、人糞等も堆肥として活用していました。今ほど行政サービスが進んでいない時代、廃品回収や一般廃棄物の回収システムがなかった時代でしたのでこの処理が当たり前のように行われていました。しかし、リサイクルの面から見ると捨てがたい行為であったようにも感じられます。以前メルマガにも書かせて頂きましたが、江戸時代の卓越したリサイクルと近いものがあるのではないでしょうか。高度成長と比例し誰もが豊になったと錯覚し大量消費が美徳として定着し、毎年成長しなければいけない生産性と賃金、日本全国都会も山里も過疎地も瞬時に共有できる情報、都会と過疎地の垣根が取れた事は大変いい事であるとは感じますが無くした物も多いのではないでしょうか。
そんな事を考えながら廃棄物関連の専門誌である月間廃棄物10月号を開いているとタイミングよく先にも書いた小中学校、高校、特殊教育諸学校、幼稚園や保育園の焼却炉の前面使用禁止の記事がその廃止に至るまでの経緯と共に載っていました。1997年頃焼却施設から排出されるダイオキシン問題が国会で審議され焼却炉の使用に関して議論し始めた頃だった気がします。私も入社して3年目の頃で簡易焼却炉の処分でお客様と打合せを重ねていた頃でした。この時期を契機に学校施設での焼却炉が撤去され廃棄物の分別に関しての取り組みを教育現場で始めたとの事でした。ですから今の子育て世代の親たちは幼い頃から廃棄物の分別に関して興味をもって取り組んでいたと言う事になります。地球環境が叫ばれる昨今このような人達が環境問題に取り組んでくれれば先は明るいのではないでしょうか。