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2019年10月07日

廃棄物ひとくちコラム

第42回  <小泉環境大臣に期待する>

先日の内閣改造で小泉進次郎氏が新たな環境大臣に就任しました。期待の若手政治家の初入閣ということで大きな注目を浴びていますので、今回はこの話題を取り上げたいと思います。

従来から、環境大臣というポストは、どちらかというと入閣待望組が就任することが多く、過去の大臣経験者で後に総理大臣になった政治家は一人もいません。遡って、環境省になる前の国務大臣環境庁長官(1971年7月~2001年1月)を調べても第4代の三木武夫氏ただ一人という状況です。そうした中で、実力・人気を兼ね備えた小泉氏が、このポストに就いたことは、我々の業界にとっては大変に意義深くまた期待するところも大きいのです。

現時点での環境行政の優先順位は、1に原発事故の後処理対策、2に地球温暖化防止対策と来て3番目に廃棄物対策が位置しています。環境庁発足当時は、大気汚染や水質汚濁防止対策が最優先課題であったことを考えると、環境行政も時代の流れとともに大きく変化していることに気が付きます。

小泉大臣の初外遊として、現在ニューヨークの国連本部へ出掛け、地球温暖化防止に関する会議に出席しています。16歳のスウェーデン人少女トゥンベリさんの演説が余りにも感動的・衝撃的で、何ら具体策を示せなかった日本の存在感が益々薄れていく危機感を持ちました。大臣としてはまだアイドリング期間ということでしょうが、彼独特の発想と行動力をもって、日本の存在感を世界に発信して欲しいと期待します。

さて、廃棄物対策に係る最重要課題は、中国ショックに端を発した「廃プラスチック」の処理対策と考えます。次号以降で取り上げる予定ですが、本年5月には、「自治体所有の焼却施設での処理の検討」を通知し、9月初旬には省令を改正して「処分施設における保管許容量の倍増」を決定しました。しかし、いずれも効果は限定的で廃プラスチック処理の課題解決の決定打にはなり得ません。国内における過去の廃棄物処理の状況を振り返ると、本コラムの2016年6月号に記載したように、最終処分場の残容量減少⇒料金高騰⇒リサイクルの進展という回路で再生利用量が増大した歴史を持っています。今回もこの時と同様にピンチをチャンスに変える大きな転換期に差し掛かっていると考えることができます。この点で、小泉大臣が今後どのような政策を打ち出してくるのか大いに期待し、読者の皆様と共に見守りたいと思います。

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