明けましておめでとうございます。令和最初の年越しとなりましたが、読者の皆様には健やかに新年をお迎えのこととお慶びを申し上げます。振り返れば、昨年の新語・流行語大賞は「ＯＮＥ ＴＥＡＭ」でした。ラグビー日本代表チームの健闘が大会を多いに盛り上げ大賞の受賞に繋がりました。私は、エコパスタジアムでの全４試合を観戦しましたが、将来に渡り語り継がれるであろうアイルランド戦の勝利の瞬間は、これまで経験したことのない感動と興奮を覚えました。「にっぽん！！にっぽん！！」のスタジアムを揺るがす大合唱は今でも耳に焼き付いています。まさに、「努力に勝る天才なし」の格言を具現化した素晴らしい結果であるとともに、日本全体をワンチームにした選手や強化スタッフに改めて敬意を表したいと思います。

そんな中で今年は、１９６４年以来２回目のオリンピックが日本にやってきます。昨年のワールドカップの再現を期待したいと思います。そして都市鉱山から回収された金属を基に制作されたメダルが授与されます。これは大会史上初の取組みであり、循環型社会形成の一環として世界で評価されることは間違いありません。残念ながら、入場券の抽選には全て外れましたので、空調のきいた部屋で、ゆったりと観戦しようと思っています。（実は、負け惜しみ？）

さて、新年ですので廃棄物処理に関する事柄について、今年１年を見通してみたいと思います。まず、法律改正については、平成３０年の法改正事項で適用猶予となっていた「特管多量排出事業者の電子マニ使用の義務化」が本年４月から施行となります。関係する事業者は限定的ですが、将来的には普通物まで含めた適用拡大が想定されることから、今後の動きに注目していきたいと思います。なお、最新情報では電子マニの使用割合は６２％となっていますので、紙マニ使用割合は３分の１近くまで減少していることになります。未対応の読者の皆さまにおかれましては乗り遅れることのない対応をお願いします。

次に、昨年の本コラムの最大関心事であった「山梨県内における汚泥不法投棄事件」については、今後どのような展開になるか注目しています。行政指導に基づく汚泥撤去期限が３月末と設定されていますので、それまでに完了できるかどうか、できなかった場合どういう措置が取られるのかに非常に関心を持っています。

第３には、これも本コラムで何回か触れた廃プラ処理の逼迫化状況がどのように改善されていくか、昨年国が示した対策が効果を表すのかに注目していきたいと思います。前月号記載のとおり、小手先の対策であって決定打にはなり得ないと考えますので、次の一手に期待したいと思います。併せて、プラスチックごみについては、「海洋プラスチック」として国際問題化していることから、どのような議論が展開され、レジ袋有料化以外の方策が導入されていくか関心を持っていきたいと思います。

最後に、御前崎市における産業廃棄物処理施設設置に関する計画の推移に注目する１年になると思います。詳細については、次号以降に記載したいと考えていますが、住民投票結果は「建設反対」が圧倒的でした。一方で、設置事業者は、住民投票結果に拘わらず計画推進をすると表明していますので、どういう形で着地点を見い出せるのかに注目が集まります。

昨今はＳＤＧｓという言葉が流行のように使われており、持続可能な循環型社会の構築を目指し、環境開発目標を持つ取り組みが始まっています。しかし、それも必要ではありますが、まずその前に自身の周りに目配りをしていただき、廃棄物を取り巻く事件や事故のない適正な処理が確保・継続される１年であって欲しいと考えます。年頭に当たり、読者の皆様におかれましては、廃棄物処理が有するリスクを今一度ご認識いただき、それぞれの立場で、廃棄物処理にどのように取り組んでいけば良いのか、自分たちは何をしなければならないのかをお考えいただく機会としていただけましたら幸いです。本年もよろしくお願い致します。