2017年04月05日
TUBOJUNコラム
第27回 「マネジメント」
皆さま、こんにちは!この季節を象徴するものといえば桜が定番ですが、私は桜より菜の花に強い愛着を感じます。家庭菜園を彩る黄色の花を眺めると、本格的な春の到来を実感します。もっとも私の場合は目で楽しむ情緒より、刺激されるのは食欲。菜の花イコール美味しい、ということ。お浸し、辛し和え、卵とじ、炒め物、味噌汁などなど。毎日のように食卓に上る春の味覚に全く飽きないTUBOJUNです!
今週は入学式ウィーク。新入生の初々しく緊張感に溢れる表情も見ると、自身も身が引き締まる思いになります。学生の頃はそのような区切りが数年ごとに訪れますが、社会人になると日常は割とだらだらと続く。私も今の立場で仕事をするようになって10数年。マンネリというか惰性というか・・。そんな日常に句読点を打つため、管理職になったばかりの頃に手に取った1冊を、その頃の情熱を思い出すために再読してみました。
それはP.F.ドラッカーの「マネジメント」という本。説明するまでもなく管理職なら必読と云われる定番書です。7年ほど前に「もしドラ(もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら)」なる企画本がベストセラーになり、一般的にも知られるようになったのは不思議な出来事でした。しかし、280万部売れテレビアニメにもなった「もしドラ」の読者のうちドラッカーの「マネジメント」をちゃんと読んだ人がどれほどいるかは疑問。実際、私も初読の時は砂を噛むような感覚で読み進めた記憶があります。
それから10数年。管理職として多少の経験は積んだ(と思いたい)。ドラッカーの定義に対して自らの体験により「なるほど!」と感じる部分は増えた。味も素っ気も無い砂ではなく、多少は血肉化されたということでしょう。しかし、部分部分では確かに腑に落ちるのですが、やはり全体的には分かったような分からないような読後感。その理由を思うに、一般論として漠然と読むのではなく自社あるいは自分に置き換えながら読み進めるのですが、ドラッカーの「マネジメント」は中小企業に触れる部分もごく僅かありますが、基本的には大企業の目線だと云うこと。だから置き換えのイメージが湧き難いというのがまず一つ。
もう一つの理由は素朴な疑問。「マネジメント」という言葉。そもそものところ一体何?ということ。誰もが当り前のように「マネジメント」という言葉を使い、受け入れていますが、よく考えるとそのものズバリ相当する日本語はありません。「管理」など一言で訳してしまうと随分窮屈な感じになってしまいます。適切な日本語が無いというのがマネジメントをいまだ輸入品ならしめているのでしょう。ドラッカーは「マネジメント」の中で「成果を中心に考える」と再三触れていますが、マネジメントとは「成果を上げること」と定義すると最も腑に落ちる気がします。欧米から輸入された概念を造語により日本人に定着させる才能があった福沢諭吉が「マネジメント」の原書を読んだら如何なる日本語に置き換えるのか?有り得ない想像ですが、興味深いものです。
TUBOJUNの日々の仕事の様子はコチラ http://www.recycle-clean.co.jp/stuff/blog04