2021年03月01日
お知らせ
一般廃棄物と産業廃棄物
このコラムも満5年が経過し6年目に入りました。皆様には長年にわたりご愛読いただき深く感謝いたします。一方で、こうしたものを60回余書いていますと題材を探すのに苦労するというのが本音で、過去のものを確認してみました。そうしたところ大変なことに気が付きました。それは、廃棄物の適正処理を確保するうえで非常に重要な一般廃棄物と産業廃棄物の区分について記載したことがないということです。本来であれば、「No.4廃棄物とは」の次あたりで取り上げるべきでした。ずいぶん遅くなりましたが、気を取り直してこれについて書いてみたいと思います。
まず、法律の規定は、事業活動によって発生する下表に掲げる20種類の廃棄物を産業廃棄物として定め、これに該当しないものは事業活動で生じたものであっても一般廃棄物とするとしています。事業所から生じる廃棄物の全てが産業廃棄物と規定するのが一番すっきりするのですが、そうなっていないことが廃棄物処理法の理解度向上を妨げる要因となっています。
ここで注意したいのが、13紙くずから19動物の死体までの産業廃棄物には、「出処(でどころ)限定」が付いていて、該当業種から生じた廃棄物のみが産業廃棄物となる点です。例えば、紙ごみが発生した場合、産業廃棄物「紙くず」に該当するのは製紙業や印刷業等から発生した場合に限定され、非該当業種から発生した紙ごみは一般廃棄物に該当することになります。逆に1燃え殻から12ばいじんまでは出処限定がありませんので、事業所から発生する全ての廃棄物が、産業廃棄物に該当することになります。よく見かける事例として事業所内で発生したテイクアウトの弁当容器が一般廃棄物(可燃物)として処理されていますが、法的に言えば産業廃棄物「廃プラスチック類」に該当しますので処理基準・委託基準に違反していることになります。
最後に今回の復習と理解度確認のためクイズを出題します。正解と解説は次号に掲載しますので、各自チャレンジしてみてください。産業廃棄物か一般廃棄物かの回答とともに、その判断理由をお考え下さい。
Q:私達の身の回りからは様々な形態で「大根の葉っぱ」が廃棄物として発生しています。
次のケースにおける「大根の葉っぱ」は、一般廃棄物?それとも産業廃棄物?
①家庭の台所から発生:
②漬物製造工場から発生:
③大根栽培農家の荷造り場から発生:
④スーパーマーケットの売れ残り:
⑤カット野菜工場(惣菜業者等へサラダ材料として販売)から発生:
⑥ 飲食店の調理場から発生:?